エルメス「レザー・フォーエバー」展@東京国立博物館 表慶館から法隆寺宝物館へ

上野の国立博物館・表慶館で開催されたエルメス「レザー・フォーエバー」展。
最終日にすべりこみで見にいってきました。

祝日ということもあって、入館まで70分待ちと言われて列に並びました。
それほど寒くない日でよかった。
外壁のレリーフや柱飾りを眺めながら順番待ちです。
この角度からのライオンもなかなかじっくり見る機会はないですよね(笑)

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写真もOKだったので、お気に入りをいろいろと撮ってきました。

中に入ると、実際にレザーを触れるコーナーが。
好きなカラーのスウェード地、美しい。
さすがエルメスの厳選されたレザー、発色や手触りが違います。

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オレンジのゲートをくぐった先にはたくさんのバッグが。

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こちらは、一枚革の上に選んだバッグのパターンが表示されるコーナー。
贅沢に革を使って作られているんですね。
そして、見せ方も楽しい。

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カラフルな縫い糸もじっくり見てしまいます。
(見るところが変!?)

展示品の案内ボードもバッグ型。
ちょっと重くて大きいので、この日はあまり使えませんでした。
持ち帰れるリーフがあると嬉しかったな。

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エルメスの歴史を物語るレザー製品の数々も。
例え船が沈没して海水に長い間浸かっても、革が中身を守る耐久性が、エルメスの信頼の拠り所なのだという説明が聞けました。

私はシトロエンのハンドルやドライビンググローブにワクワク。
元シトロエンユーザーとしては、ちゃんと撮っておかないと!

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このグローブやボールも、まさかのエルメス製でしょうか?

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質感が面白い白いサイも。

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天翔けるが如き鞍も。

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シューズトランクは靴まで素敵。
かなり小さい、キッズサイズのような靴たちです。

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逆に、こういうシンプルな長く使えるデザインも、ハイブランドらしいものと言えるでしょうね。
書類を入れられるこういう形のもの、探しているのでつい撮りました(笑)

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表慶館の館内も素晴らしくて、古い建物に目がない私にとっては最高の空間。
ジョサイア・コンドルの弟子である片山東熊の設計によるもので、重要文化財です。

明治33年(1900)、皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して計画され、明治42年(1909)に開館した、日本ではじめての本格的な美術館です。設計は、J.コンドルの弟子で、東宮御所(現在の迎賓館)なども手がけた宮廷建築家の片山東熊。中央と左右に美しいドーム屋根をいただき、上層部の外壁面には製図用具、工具、楽器などをモチーフにしたレリーフがあります。明治末期の洋風建築を代表する建物として昭和53年(1978)、重要文化財に指定されました。
―東京国立博物館HPより
http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=hall&hid=8

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馬具メーカーからスタートしたエルメスらしいコーナーも。
馬を「メゾンの最初のお客様」としているところに、ルーツを大切にしている姿勢が感じられます。

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バッグという印象が強いですが、本当に様々なアイテムを作っているのですよね。
正確には「トラベルツール全般」とでも表現した方がいいのかも。
そういえば、自転車はドラマ「古畑任三郎」にも登場していましたね。

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エルメスがデザインで力を入れているパーツのひとつが金具なのだそう。
オブジェ的に展示されていたレザーのコルセットにも、アイコンになっている金具が。

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白いケリーはまるでヴィーナス像の一部のように。

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最初のコーナーにエルメスの職人さんによるデモンストレーションのコーナーがあって、
私が到着した時間は、ちょうどお昼休みをとっていたため、最後まで見てから戻ってきたのですが、
見事な人垣で何も見えず。

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しばらく待っても、最前列の人が居座ったまま動画などを撮っているんですね。
それも男性が多くて、後ろの女性は本当に何も見えない。
10分くらいの時間待っても一向に動く気配がなく、何度も係の方も「後ろの方にお譲りください」と大きな声で促しましたが、全然どかないのには少々がっかりでした。
私の前の女性たちがわざと聞こえるように「見えないね」と言っていたのに、それにも動じないで撮影をしていたのには呆れました。

じっくりと見たいのはわかりますが、こういう人気の展示の時はより幅広い層が来場するので、
押し合いへしあいで場内の雰囲気がよくないことも多くて残念……やっぱり平日に来るべきだったなと思いました。
やっと最前列の男性たちは後ろに下がりましたが、待っていた人たちが背後からなだれ込んできたので、
諦めて上から写真だけ撮って退散。

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さて、奈良の法隆寺がとても好きな私。
まだ開館時間内だったので、お隣の法隆寺宝物館へ。
こちらは打って変わって静か。

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数々の宝物、中でも小さな仏像が整然と並べられたこの展示室は印象的です。
飛鳥時代の仏さまは、オリエンタルなお顔が特徴。
渡来人の仏師が手掛けたためでもあるのでしょうね。
お身体のバランスもまだまだ素朴なので、親しみがわきます。
人ごみでちょっとぎすぎすした気分をすっかり和ませてくださいました。

有名な摩耶婦人像も。
こちらも可愛らしいサイズの仏様です。

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奈良時代に織られた布地も、色鮮やかに保管されています。

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幡を上から眺められるなんて、なかなかできませんね。

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上野は自宅からも近いので、時々小さな仏さまたちに会いにこようかな。
静かでかなり癒される博物館です。

実は、前日にも上野に来たのですが、月曜日は美術館・博物館の休館日なのをすっかり忘れていたんです。
上野公園の中央の広場に、スターバックスともう1つカフェができていて、
そこでしばらく、ちょっと海外のように見える公園の風景を眺めながらのんびりして帰りました。

この日もお天気がよく、比較的暖かな日だったのでお散歩にもいい日和。
博物館を出たら美しい夕焼けが!
天皇誕生日で日の丸を掲げた科学博物館もライトアップされて綺麗。
上野公園の景色を眺めつつ、大学時代の同期たちとの忘年会に向かいました。

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だいぶ長いブログになってしまいました。
ここまで読んで下さった皆さん、ありがとうございます。

エルメスではそれほど撮影しなかったつもりで、さらにそこからよく撮れた写真だけに絞っているのですが、
こうしてまとめてみると、かなりたくさん写真を撮っていましたねー。
エルメスは磨き抜いた職人の技術を伝えるブランド、その素晴らしさを体感できてよかったです。
古いのに新しさを感じるというのは、表慶館にも法隆寺の宝物にも共通する点です。
よいものというは、どんな時代にも通用するものなのかもしれません。