練習しよう 和装の花嫁の立ち居振る舞い

高円宮家の典子さまのご結婚式、
出雲大社で今日無事に執り行われたそうですね。
おめでとうございます!

挙式の際の赤の小袿に紫の長袴は、宮中三殿に詣でられた際にもお召しでした。
祖母君から譲られたものだとか。

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日経新聞写真部(@nikkeiphoto)より

台風が近づき、雨も降り始めたにも関わらず、 挙式の少し前には雨も上がったのには出雲の神様のパワーを感じますね。
参道を歩まれる様子を大勢の方に見送られていました。
参進は華やかな黄色の袿に紫の切袴。
お母様である高円宮妃久子さまが黒留袖、お姉さま方も振袖をお召しだったのには少し驚きました。
ご新郎側に合わせてだったのでしょうか。

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日経新聞写真部(@nikkeiphoto)より

過日、宮中三殿への拝礼や天皇皇后両陛下へのご挨拶「朝見の儀」の様子も報道されましたが、
やはり、皇室の方々は立ち居振る舞いが素晴らしい!
お小さい頃からバレエもなさっていたそうで、そもそも姿勢はお綺麗なのでしょうが、
一般よりもずっとドレスをお召しになる場面も多いので、練習もされるのだろうなぁと思いながら見ていました。
特に小袿姿などは練習しないと大変なのではないかと思います。

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「時事ドットコム」より

 

先日、とあるウェディング会場にプレスでお伺いし、神前式の模擬挙式を拝見しました。
モデルさんの立ち居振る舞いを見ながら、和装の花嫁さんには挙式の所作のポイントを知っておいてほしいと感じたので書いておこうと思います。

■お辞儀
着物の場合は帯を締めるので、背筋は自然に伸びると思って大丈夫です。
その分、身体を折り曲げることが難しくなるので、お辞儀の所作が異なります。

特にかつらの場合は非常に頭が重くなり、普通にお辞儀をしようと頭を傾けるとバランスが取りにくいので、
頭は目を伏せる程度にし、軽く膝を曲げて身体を低くすることでお辞儀します。

 

■三々九度(三献の儀)
三々九度は挙式の所作の最難関!
小さな盃からお神酒を飲むだけですが、盃を顔まで持っていくことが大変なのです。

盃は、巫女から胸の前あたりに差し出されます。
指を揃え、指先を合わせるようにした手のひらで受け取ります。
お神酒を注いでもらったら一度水平に手前に引き寄せ、左右の親指とで三角を作るようにして、
3点で支えるように持ちます。

肘を張るのはNG、いかつく見えるので、脇を締めて肘を起点に腕を動かします。
杯に近づけるのではなく、持った手を口に近づけるのですが、
肘にを後ろに引いて、手元をお腹の方に引き寄せながら垂直に持ち上げると、
お神酒が入った杯を安全に口元に近づけられます。

口から「お迎え」に行かないように、口元近くで2度杯を傾けて、3度目で飲みます。
お醤油皿程度の平たいお皿で練習するといいですね。

盃

 

■歩く
草履を履いた場合は、重心を前にかけるようにすると足運びがしやすいです。
踏み出すときに鼻緒を指で挟むように意識をして、引きずらないようにして歩きます。

着物は膝を擦るようにくっつける感じで歩くと、楽にきれいに足運びができます。
浴衣をきつめに着て歩いてみると、感覚が掴みやすいでしょう。
なければロングのタイトスカートをはく、ブランケットを巻くなどしてやってみてください。

着物を普段から着ている方はコツが掴みやすいと思うのですが、
着る機会がないと、草履で歩くことに慣れるのも時間がかかります。
私も先日久しぶりに着物を着て、しばらく歩いてやっと草履に慣れました。
ご自宅に草履があれば、履いて練習するとかなり違いますよ。
移動距離が長い会場の場合は特に、練習をおすすめします。

和装足もと

考えれば、歩き方というのは自然に身につくままであることが多いもの。
矯正する機会がないと、意識することもないのではないでしょうか。
初めての服装であることはもちろん、歩く姿を見られる機会も、普通はあまりないわけですしね。
いい機会なので挙式前に歩き方をチェックしてみるといいでしょう。

素敵な所作を目指して、挙式までに練習してみてくださいね!